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変わらない風景

遠出をした帰り、いつもは高速道で少しでも早く帰ろうとするのですが、見慣れた風景に飽きていたのと海を見てみたいという思いで、途中インターを下り海岸線を走りました。

十代の後半にバスで初めて訪れた岬のある海岸線は、大きなカーブを越えるごとに小さな港や街があり、バスではすれ違えなかった道路は直線に整備され、うす暗く水の滴るトンネルはLEDライトに照らされ、海藻が干されていた海岸は防潮堤が続き、ホテルは廃墟と化し…とあの頃とはすっかりと様子が変わっていました。 

それでも岬からはいつまでも眺めていたい美しい風景が広がり、茜色に染まる空と海に出会うことができました。変わらない風景と変わってしまった風景。また新しい風景に出会いたいと思いながら帰路に着きました。 (H